競馬YouTuberの予想を見ていると、「この馬が本命です」という結論は分かっても、そもそも何を根拠に馬を選んでいるのか気になることがあります。

追い切りを見る人もいれば、血統や過去データを重視する人、騎手や馬場を細かく見る人、AIに予測させる人もいます。

では、実際の競馬YouTuberは何を予想材料にしているのでしょうか。

今回は、2026年9月時点で予想方法や根拠を公開動画・チャンネル説明から確認できた10チャンネルを対象に、予想根拠を「調教」「血統」「枠順」「過去成績・傾向」「オッズ」「馬場」「騎手」「AI」の8項目に分けて調査しました。

その結果、最も多く確認できたのは過去成績・レース傾向で8チャンネル。調教・血統・馬場・騎手もそれぞれ4チャンネルで確認でき、競馬予想は一つの材料だけではなく、複数の要素を組み合わせているケースが多いことが分かりました。

競馬YouTuber10チャンネルの予想根拠を調査

今回対象としたのは、次の10チャンネルです。

  • 夢色グラス 競馬チャンネル
  • てんなこ競馬予想チャンネル
  • 亀谷敬正の競馬血統辞典
  • 競馬暮らし「蓮」の独り言
  • 血統データ備忘録
  • 貧乏厩舎のウマ息子
  • タイガーAI競馬予想TV
  • 競馬予想で始めるデータ分析・機械学習
  • 馬柱探偵・田原基成の競馬データ分析TV
  • アギョウの競馬予想TV

「有名だから○○を使っているだろう」と推測するのではなく、本人・公式側の説明、公開されている予想動画や解説動画から、その要素を実際に確認できた場合のみ○としました。

なお、「過去成績・傾向」には、過去10年データ、前走・近走内容、コース実績、レース傾向などを含めています。

調査結果|8つの予想根拠を比較

チャンネル 調教 血統 枠順 過去成績 オッズ 馬場 騎手 AI
夢色グラス
天童なこ
亀谷敬正
競馬暮らし「蓮」
血統データ備忘録
貧乏厩舎のウマ息子
タイガーAI競馬予想TV
競馬予想で始めるデータ分析・機械学習
田原基成
アギョウ

空欄は、その要素を「一切使っていない」という意味ではありません。今回確認した公開動画・チャンネル説明から、予想根拠として明確に確認できなかったものです。

最も多い予想根拠は「過去成績・レース傾向」

予想根拠 確認できたチャンネル 割合
過去成績・傾向 8/10 80%
調教 4/10 40%
血統 4/10 40%
馬場 4/10 40%
騎手 4/10 40%
枠順 3/10 30%
オッズ 2/10 20%
AI 2/10 20%

今回の10チャンネルで最も多かったのは、前走・近走内容や過去のレース傾向などの「過去成績・傾向」でした。

10チャンネル中8チャンネル、80%で確認できました。

たとえば馬柱探偵・田原基成さんは、チャンネル自体を「細かすぎるデータ分析」を切り口とする競馬予想チャンネルと説明しています。

馬柱探偵・田原基成の競馬データ分析TVでは、「過去10年」「○年連続馬券内」「3.3.0.2」といった具体的なデータを使った動画が数多く公開されています。

競馬YouTubeでは感覚だけで馬を選ぶよりも、過去の結果から今回と似た条件を探す方法が広く使われていることが分かります。

調教を使うチャンネルは4件

調教・追い切りを予想根拠として明確に確認できたのは、10件中4件でした。

代表的なのがてんなこ競馬予想チャンネルと、アギョウの競馬予想TVです。

アギョウでは2026年にも各重賞について「全頭追い切り診断」を公開しています。

たとえば七夕賞の予想動画では、出走馬の前走内容などに触れながら、最終的には「追い切り・調教から」注目馬を選ぶ構成になっています。

さらに夢色グラスも「最終追い切り評価」をレース前に公開しており、馬の状態を重要な判断材料にしています。

調教型では、単純な過去の着順だけでは分からない「今回の状態」を評価しようとしている点が特徴です。

血統を使うチャンネルも4件

血統を明確な予想材料として確認できたのも4件、40%でした。

最も分かりやすいのが亀谷敬正の競馬血統辞典です。

2026年のG1予想でも、「明確な血統傾向」「好走馬血統」「血統&馬柱の傾向」などを切り口にレースを分析しています。

血統データ備忘録でも、血統傾向とラップ分析を組み合わせた予想を継続しています。

また、競馬暮らし「蓮」も自身の予想方法として「血統の知識を活かす」と明記しています。

血統だけで機械的に本命を決めるというより、コース、馬場、過去傾向などと組み合わせる材料として使われるケースが目立ちました。

馬場は4件|直前に評価が変わるケースも

馬場状態を明確に予想へ取り入れていることを確認できたのは4件でした。

夢色グラスでは「水分を含んだ馬場」「雨の影響が強そう」といった条件が最終予想動画のタイトルにも現れています。

亀谷敬正さんも、2026年皐月賞の動画で週末の天候や馬場状態によって狙い方を変えることをテーマにしています。

競馬暮らし「蓮」も予想方針として最初に「馬場をよむ」ことを挙げています。

血統データ備忘録では稍重・重・不良馬場における種牡馬傾向を分析するなど、馬場と血統を組み合わせています。

この結果から、馬場は単独の材料というより、血統・脚質・過去成績などの評価を変える条件として使われることが多いと考えられます。

騎手を予想材料にしていたのは4件

騎手も4チャンネルで確認できました。

競馬暮らし「蓮」は「騎手の特徴を把握」して予想すると明記しています。

貧乏厩舎のウマ息子でも、「得意な騎手」「騎手と厩舎の組み合わせ」などをデータとして扱う動画があります。

夢色グラスでも、2026年セントライト記念の有力馬解説で「中山でも田辺騎手の技術は侮ってはいけない」と騎手要素に言及しています。

田原基成さんの動画でも「サンデーレーシング×戸崎圭太」のような組み合わせをデータとして扱った例があります。

単純に「有名騎手だから買う」というより、競馬場・厩舎・馬との組み合わせまで含めて見る方法が確認できました。

枠順は3件|全レースで重視されるわけではない

枠順を明確に予想材料として確認できたのは3件、30%でした。

夢色グラスでは「外枠からでも面白いのは?」といった形で枠を考慮する動画があります。

貧乏厩舎のウマ息子は競馬場攻略動画で、脚質、枠、騎手、血統などをまとめて解説しています。

田原基成さんにも、過去には「1番人気馬は枠順が鍵?」というデータ分析動画があります。

今回の調査から見ると、枠順は常に最優先される材料というより、コースやレース条件によって重要度が上がる要素として扱われていると考えられます。

オッズを明確に重視したのは2件

オッズを予想根拠として明確に確認できたのは2件でした。

競馬暮らし「蓮」は、自身の予想について「オッズと向き合いながら」「妙味のある馬から買う」ことが大切だと説明しています。

田原基成さんも動画タイトルで「オッズ妙味十分」など、市場人気と自分の評価との差に注目しています。

興味深いのは、過去成績や血統などと比べ、オッズを前面に出すチャンネルが今回の調査では少なかったことです。

もちろん実際の馬券購入時にはオッズを確認している可能性があります。しかし今回は、動画から「予想根拠」として確認できたものだけを数えています。

AIを明確に使うのは2件

AIを明確に予想・分析へ利用していると確認できたのは2件、20%でした。

タイガーAI競馬予想TVは、その名称どおりAIを利用した競馬予想を扱っています。

また「競馬予想で始めるデータ分析・機械学習」では、過去のレースデータを収集し、機械学習モデルを作って競馬を予測する過程そのものを公開しています。

同チャンネルでは、実際に過去成績を取得して予測用データを作る方法も解説されています。

一方で、AIを使えば必ず勝てるという意味ではありません。

同チャンネル自身も2026年に「予測精度を上げたのに回収率が下がる」というテーマを扱っており、AI予測と馬券収益が同じではないことを検証しています。

調査して分かったこと① 1つの根拠だけで予想するチャンネルは少ない

今回の個票を見ると、複数の予想根拠に○が付いたチャンネルが多くあります。

競馬暮らし「蓮」は、馬場、騎手、血統、過去内容、オッズなどを総合的に評価。

夢色グラスも、追い切りだけでなく、馬場、枠、騎手、過去のレース内容などを動画ごとに組み合わせています。

つまり「調教派」「血統派」と一言で表現できても、実際の予想では一つの材料だけに依存していないケースが多いのです。

調査して分かったこと② 最も共通するのは「過去から今回を考える」こと

8項目のうち最も多かったのは過去成績・傾向で80%でした。

過去10年の重賞傾向を見るチャンネルもあれば、一頭ごとの前走・近走を確認するチャンネルもあります。

方法は違っていても、共通しているのは、

「過去に何が起きたか」から「今回どうなるか」を考える

という点です。

AIも、その意味では大量の過去データを別の方法で処理する仕組みと見ることができます。

調査して分かったこと③ 「データ派」の中身はかなり違う

競馬予想で「データ重視」と聞くと同じように見えますが、実際に動画を比較すると使っている材料はかなり違いました。

  • 田原基成:過去レースの条件・傾向
  • 亀谷敬正:血統とレース傾向
  • アギョウ:追い切り・状態
  • 競馬暮らし「蓮」:馬場・ペース・騎手・血統などを総合
  • AI系:過去データを機械学習で処理

そのため「データを使っているか」だけではなく、何のデータをどのように評価しているのかを見ると、競馬YouTuberごとの違いが分かりやすくなります。

予想動画を見るときは「本命」より根拠を見ると面白い

競馬YouTubeを見ると、どうしても最終的な本命馬に目が向きます。

しかし、今回調査したように予想根拠を見ると、同じレースでもYouTuberによって注目するポイントが違います。

気になるポイント 見るとよい予想根拠
今の馬の状態を知りたい 調教・追い切り
コースへの適性を考えたい 血統・過去成績・枠順
雨の日の狙い方を知りたい 馬場・血統
人の要素も見たい 騎手
人気とのズレを狙いたい オッズ
大量データから判断したい AI・機械学習

本命馬だけを比較するより、「なぜその馬を評価したのか」まで見る方が、競馬の考え方そのものを学びやすくなります。

今回の調査の注意点

今回の結果は、日本の競馬YouTuber全体について「80%が過去成績を使う」と示す統計ではありません。

2026年9月に、予想根拠を公開情報から確認しやすい10チャンネルを対象に調査した結果です。

また、空欄の項目についても「その材料を絶対に使っていない」と断定するものではありません。

本人・公式側の動画や説明から今回確認できたかどうかで分類しています。

予想方法は動画やレースによって変わるため、同じチャンネルでも枠順を重視する週と、ほとんど触れない週がある可能性があります。

まとめ|最も多かった予想根拠は過去成績・傾向

競馬YouTuber10チャンネルについて、8種類の予想根拠を調査した結果は次のようになりました。

  • 過去成績・傾向:8件(80%)
  • 調教:4件(40%)
  • 血統:4件(40%)
  • 馬場:4件(40%)
  • 騎手:4件(40%)
  • 枠順:3件(30%)
  • オッズ:2件(20%)
  • AI:2件(20%)

最も共通していたのは、過去の成績やレース傾向から今回のレースを考える方法でした。

一方、調教、血統、馬場、騎手なども広く使われており、複数の材料を組み合わせるチャンネルが目立ちます。

競馬YouTubeを見るときには、「誰の本命が当たるか」だけでなく、その予想が何を根拠に組み立てられているのかに注目すると、それぞれのチャンネルの違いがより分かりやすくなるでしょう。

主な確認資料

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